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治療プログラム

CKD保存療法

4)治療プログラム

CKDの治療プログラム

慢性糸球体腎炎と糖尿病性腎症は、おそらくほとんど同じ進行原因によって進行していると思われます。
どちらも図に示したプログラムで治療を進めます。
蛋白排泄量(UPE)1日0.5g以上か未満かでまず2つに分かれます。
UPE<0.5g/日では、一般に進行性は弱く、血圧・食事内容・未調整の進行因子の調整を行えば、ほとんど進行しない例とすることができます。

UPEが多いほど、進行する可能性が高く、注意深く見る必要があります。
たとえば血圧は家庭血圧の目標が達成されることはもとより、24時間血圧測定(ABPM)で血圧が高い時間帯を見逃していないかをチェックすることもあります。
進行因子の1つ1つを念入りにチェックします。
血清総CO2が20-21と境界値で動揺している場合、血液の酸性化(アシドーシス)があると考えて、1~2gの重炭酸ナトリウムをのんでもらいます。

血圧値、食事内容に問題がない場合、UPE<0.5g/日を目ざしてARBを処方します。
1ヵ月毎にUPEをしらべ、<0.5g/日となればUPE減少の目的は達成されます。
もし<0.5g/日とならない場合、用いたARBの最大投与量まで増量します。
ディオバンは80mgまで、ブロプレスは16mgまで、ミカルディスは80mgまで処方できます。
もし最大投与量まで用いてもUPE<0.5g/日が達成されない場合、さらにACEIを追加して処方します。
ACEIもARBと同じく最大投与量まで処方します。
ロンゲスは20mgまで、レニベースは10mgまで、カプトリルは150mgまで処方できます。

ACEIはからせきという副作用が20%で出現します。
ARBにもせきの副作用がありますが、ACEIによるせきの頻度の3分の1程度です。
ARB、ACEIでせきが現れたらただちに薬の服用を中止します。
以前服用して効いたので、もう一度のんでみたいという患者さんがいますが、せきがかならず再発するので、やめるべきです。
またせきが出ているのに我慢してのみ続けると、発声障害に至ることもあるので、これもやめるべきです。
ARB、ACEIともに血清カリウムを上昇させる薬なので、高カリウム血症対策を十分にします。

ARB、ACEIを用いてもなお、UPE>0.5g/日のとき、尿蛋白を減少させる作用が証明されている。スタチン系高脂血症薬(メバロチン、リポバス、リピトール、リバロ等)を加えて処方することもあります。

停止・寛解例(16例)と最近の透析導入例(50例)のUPEの比較
UPE≧0.5g/日の状態では、当面腎機能は安定していても1~2年後には進行しはじめることが多いのです。図の右は最近当院で透析療法に導入した50例のUPEを表わしたものですが、導入例ではUPE>1g/日以上が多いことがわかります。UPE≧0.5g/日のとき、次の手段としてDPI0.5g/標準体重Kg/日まで減らします。この「超低蛋白食療法」(very low protein diet ,VLPD)は実行が難しいうえに、体の蛋白が崩壊していく「蛋白異化」を伴いがちです。DPI0.5g/標準体重Kg/日は、蛋白異化を促進し、危険な食事療法ですがどうしても尿蛋白が減少しないとき、敢えて実行することがあります。

蛋白異化の予防法として、

1.カロリー摂取量を30~35kcal/標準体重Kgと増加させる
2.必須アミノ酸(アミユー)をのんでもらう

があります。
超低蛋白食の効果は糖尿病性腎症では実証されていますが、慢性腎炎その他の非糖尿病性腎症では十分証明されていないので、検討を進めています。